9月5日、大阪府教育委員会は、府立高校4校(西淀川、北淀、大正、泉尾)を統廃合する案を発表しました。
大阪では2008年に橋下徹氏が大阪府知事に就任して以降、「維新」府政のもとで教育や福祉の予算が削られてきました。
「3年連続志願倍率に満たない高校は再編整備(統廃合する)」という条例がつくられ、大阪府教育委員会は「7校程度」統廃合するという方針で、統廃合を進めています。
これまでに、咲州高校や池田北高校などを募集停止にしてきています。
大阪府の方針は、募集人員(定員)に満たない志願者数ではいけない、つまり、必ず「不合格者」を出さないといけない。受験で「不合格者」を生まない高校は、魅力のない高校として廃校にする、ということです。
大阪府の言い分というか、方針は、本当にそのとおりなのでしょうか?
そんなことはありません。
そもそも公立高校の「定員」は余裕を持って設定されており、一定の高校が「定員」に満たない状態になるのは当然です。
実際に鹿児島県や山形県では約半数の高校が「定員」を下回っていますが、学校をつぶすなんてことをしてるのは大阪くらいのものです。
しかも、大阪の高校は全国と比べても突出して大規模な学校が多く、教室が足りないくらいのつめこみ状態。「定員」を満たす以前に、そのつめこみ状態をなんとかすることが求められています。全国では高校でも少人数学級がすすんでいますが、大阪府は国の上限いっぱいの定員一クラス40人に据え置いたままです。
さらに、「定員」に満たなければ魅力のない高校なのか、といえばそんなことはありません。
在校生や保護者からは、今、統廃合にされようとしている高校の魅力が口々に語られています。
例えば、統廃合の対象となっている西淀川高校は、人間関係や勉強の進み具合に困難を抱えた生徒へのサポート体制に力をいれてきていて、在校生からは「お互いにつらさとか相談し合って、支え合えるような優しい場」といった声。
高度成長期に公害が発生し、多数の公害患者が生まれた歴史から、授業以外に環境フェスタや公害患者から話を聞くなど地域に根差した取り組みに、魅力を感じで「この高校に決めた」という声が出されています。
しかし、松井大阪府知事は、昨年、統廃合対象になっている西淀川高校について「魅力のない学校で定員にも満たず、その学校に通うことは生徒にとって自身の成長につながらない」と発言。
その教育について何ら理解していないであろう、あまりな発言に、在校生からは「高校を選んだ保護者、在校生、卒業生を傷つけた」「何を見て、高校生活で成長しないと断言するのか」と怒りの声が上がっています。
ほんとにその通りだと思います。
定員を満たすかどうかと、一人ひとりにとって、豊かに学び成長できる教育の場であるかどうかということは、リンクすることではありません。
16日、統廃合の対象となっている大正高校、泉尾高のある大正区では、教職員、保護者、OBのみなさんが、大阪府の高校つぶしを止めて、子どもたちが豊かに学び成長していける高校を守ろうと、署名宣伝をおこないました。
今後も、さらに広げていきたいと思います。
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